七夕当日。

ヤギは仙台へ向かっていた。

友人の結婚パーティへ出席するためだ。

夜からのパーティだったが、

高速バスを利用したため、

真昼間に到着してしまった。



なんて、嘘。

真昼間に到着した理由、

『ターゲットリッチな環境でソロで暴れたい!』

むしろパーティの方がおまけなくらいだ。

※ターゲットリッチ=腐るほど声掛け対象がいる環境



田舎に住むヤギにとって、

とにかく人込みが羨ましいのだ。



ここで

『田舎でだって昼にナンパすればいいじゃん』

って思った方。

これ本当に無理ゲーなんす...



だって人の集まるスポットがないんだもの!

このやり場のない想いは、

別の記事でじっくりと書くことにする。



話は高速バスの件まで戻って。

実はゲーム開始のゴングは、

すでにバスの中で鳴っていた。



走行中のバス車内、

一つ前の席に

とぅるっとぅるな髪の女性(以後トゥル子)が座っていた。

アッシュグレーに近い髪色で、

アニメみたいなエンジェルリングが見える。



めちゃくちゃ興奮した。

髪だけであそこまで興奮したのは初めて。

趣味のスマブラをしていた手は完全に止まり、

釘付けになった。



休憩でサービスエリアに止まると、

トゥル子が席を立った。

ヤギもトイレに行くフリをして席を立つ。

トゥル子を追い抜き、

顔を確認...!



おお...

いい...!

とぅるとぅる補正込みでスト値6!



ナンパ師ならその場で声をかけるべきと思ったが。

ヤギもまだ駆け出し。

普通に怯んで、一先ずトイレへ。



おしっこして冷静になる。

10分しかない休憩時間に声をかけても、

トゥル子がトイレに行きたかったら

ただの迷惑行為。

頼りないメンタルが珍しく役に立った。

バスに戻り、

仙台駅到着を待つことに。

その間オープナーをじっくり練る。



仙台駅到着。

先に降りて待ち伏せするのは、

ストーカーっぽくて恐いんじゃと思ったから、

わざとトゥル子より遅く降りる。

雨が降る中トゥル子を追いかけ、

追い抜き、



ヤギ「こんばんは!」

トゥル子「あ、こんばんは~」

ヤギ「俺さっきまで君の後ろ座ってんだけど、ちょっと聞きたいことあってさ!て雨強いねw一旦そこ(屋根の下)まで移動しよ?」

トゥル子「え、あ、はい」



練った割にはしょっぱいオープナー(笑)

でもオープンはした。



ヤギ「ねえ、髪の毛きれい過ぎない?めっちゃいい色だし拘ってるの?」

トゥル子「いやいや結構バサバサですよwほら(手櫛してみせる)」

ヤギ「それでバサバサとか、じゃあ俺の髪の毛どう表現すればいいのwちょっとは気使ってw」

トゥル子「えーごめんなさいw」

ヤギ「髪少しだけ触ってもいい?」

トゥル子「どうぞw」

ヤギ「うわ、ツルツル通り過ぎてトゥルトゥルじゃん!触らせてくれてありがとーすっきりしたw」

トゥル子「なにそれwどういたしましてw」

ヤギ「俺〇〇(地元)から来たんだけど、君は?」

トゥル子「私〇〇です」

ヤギ「おーめっちゃ近いじゃん!良かったら今度向こうでご飯でも行こうよ」

トゥル子「いいですけど、これってナンパですか?w」

ヤギ「お察しの通り、ナンパです^^」



無事LINE交換して放流。


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こりゃ幸先いいぞーと小躍りしながら、

本番の仙台スト!



今回は自分の中で縛りルールを設けた。

1.美女以外の声掛け禁止(スト値6以上)

2.最低10人に声をかける

3.連れ出せなかったら昼飯抜き



これは一切の甘えを排除するためのもの。

少し小慣れてきた今のヤギなら

ランクを落とせば連れ出しは難しくない。

でもそれじゃあ意味がない。

今日で一皮むけるって決めたのだ!



PM 12:30 スタート!

雨は上がっていたが、まずは駅中を物色。

あー地元だったらすぐ声掛けたいレベルの子がたくさんいる。

疼く気持ちを抑え、美女を探す。


いた!

赤いロングスカートが似合う美女、スト値6.5!

記念すべき1人目に、



ヤギ「こんにちは!」

1人目「・・・いまから仕事なので」



俺まだ何も聞いてないんだけど(笑)

日本語噛み合わぬまま速足で立ち去られた。

美女のシールドこんな硬いの?

不安が拭えぬまま、次の美女を探す。



駅中のコンビニで何か買ってる美女発見!

買い物が終わるのを遠目で待ち、

頃合いを見計らって



ヤギ「こんにちは!」

2人目「・・・あっもしもし」



ヤギを見た瞬間、

無言で携帯を取り出し、

電話(するフリ)しながら逃げていった(笑)

オープナーで、

「俺の顔そんなにブサイク?w」

って良く使うけど、

本気で俺ってブサイクなんじゃって思わされた(笑)



美女つええ、けど楽しいいい!

なんて思いながら見つけた3人目は、

待ち合わせ場所の定番、

ステンドグラス前で立っていた少し濃い顔の美女。



ヤギ「こんにちは」

3人目「(無言でコクリと頷く)」

ヤギ「待ち合わせ?」

3人目「(無言でコクリ)」

ヤギ「何番目の彼氏と?」

3人目「彼氏いないです」



この辺で違和感を覚える。

すぐに確かめる。



ヤギ「お姉さん何歳?」

3人目「18」

ヤギ「高校生?」

3人目「うん」

ヤギ「おおマジかw楽しんでなw」



高校生はいかん(笑)

すぐ立ち去る。

にしても最近の高校生、

高校生らしさ無さすぎだろ(笑)

話してみると慣れてない感じで分かるんだけど。

若干食い付いてたように見えた分、

名残惜しいが仕方ない。



駅内であんまりうろつくのもどうかと思い、

アーケードに場所を移す。

移動中、やたらと視線を送ってくる子がいて

スト値5だったからスルーしようと思ったんだけど、

明かに目が合った瞬間微笑まれたから

反射的に声掛け(笑)

俺もナンパ師らしくなってきたなと思いながら、

話してみると台湾から旅行にきている子だった。

待ち合わせ中の友達が30分以上遅刻しているらしく、

ひどいねw何て言いながら軽く話し込んでたら、

facebookやってる?と訪ねられた。

正直めちゃくちゃ教えたかったし、

これを機に台湾進出も狙いたかったが、

自分のfacebookのステータスには、

【交際中】の3文字が刻まれている。

泣く泣くやってないとウソをつき、

記念に2ショット自撮りして放流。

少し心が暖まった。



それから4,5,6人と順調に声掛けしていくものの、

全て彼氏or旦那グダで撃沈。

改まって考えると、

美女に彼氏がいない方が稀なのだ。

なにをあっさり引いているんだと猛省。

彼氏グダへの苦手意識はここで払拭してやる。

意気込み新たに再び歩き出す。



7,8,9人目からも同じように彼氏グダを食らったが、

さっき意識を変えたおかげで、

グダの後かなり会話が続くようになり、

ひと笑い起してから放流できるようになった。

なんてことはなく、

「大丈夫、彼氏いないと思って声かけてないからw」

ぐらいの返しでいなしただけ。

これだけで見違えて楽しい会話ができるようになった。



楽しくなってきたのは良いのだが、

厳選して声掛けしてたら2時間半経っていた(笑)

歩きすぎて股関節が悲鳴を上げていたため、

次の10人目を最後に切り上げることに。



最後の10人目は水色の花柄ワンピが似合う美女。

すれ違った後すぐに引き戻し、



ヤギ「こんにちは」

10人目「えっ、こんにちは」

ヤギ「元気ですか?^^」

10人目「いきなりですねw」

ヤギ「元気に歩いてるなと思ってw」

10人目「いやいやw」

ヤギ「いまどこ向かってたの?」

10人目「〇時から美容室予約してるんです」

ヤギ「まだ40分もあるじゃん、結構プラプラするんだねw」

10人目「まあそうですねw」

ヤギ「俺も夜から結婚パーティーあって、3時間くらい暇してんだよ」

10人目「まだまだじゃないですかw」

ヤギ「かわいそうでしょ?w人助けだと思って、30分だけお茶付き合ってよw」

10人目「えーそれはちょっと・・・」

ヤギ「美容室どっち?近くのカフェだったら良くない?」

10人目「うーん」

ヤギ「よし行こ♪」

10人目「・・・いいですよ」



10度目の正直!!!!

疲労感が吹き飛ぶほど嬉しかった(吹き飛ばなかったけど)

ナンパは確率論だと言われてて、

まさしくその通りだなと。

諦めないだけで、

こんなド素人でも美女を連れ出せるのだから。



連れ出した後はヤギの得意分野。

カフェなのに周りの迷惑になってないかと

冷や冷やするくらい盛り上がって、

次仙台に来ることがあったらぜひ飲みたいと

嬉しい言葉をもらった。

最後に2ショット自撮りとLINE交換して、

美容室近くまで送って解散。

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一皮剥けるといった目標も

「彼氏グダをいなす」

ことができるようになったし、

確実に大きく成長できたと思う。

充実感、満足感ともに満たされる最高の武者修行だった。